
現代の我が国において、結婚のカタチは多様化し、さまざまな結婚があります。
この記事では、通常の結婚から、事実婚、別居婚、共生婚、友情婚、同性婚、友情婚など、さまざまな「結婚のカタチ」を解説します。
あなたに適した「結婚のカタチ」とは何でしょうか。
婚姻
通常の結婚とは、役所に婚姻届を提出することによって法律的に夫婦であることを承認されることです。
婚姻関係にある2人の間に生まれた子供は、嫡出子(ちゃくしゅつし)として認められます。
嫡出子とは法律上夫婦と認められている男女の間に生まれた子のことを言います。
内縁関係の間に生まれた子は「非嫡出子」となります。
また、結婚をすることで、2人の間には以下のような民法に基づく権利と義務が生じます。
婚姻で得られる権利
財産分与請求権
離婚時に、財産が少ないほうの配偶者が、財産が多いほうの配偶者に対して、その財産分与を請求する権利があります。
(民法768条)
相続権
一方の配偶者が死亡した場合には、生存している配偶者は、2分の1から4分の3までの範囲内で、死亡した配偶者の財産(遺産)を相続する権利が生じます。
(民法890条)
契約取消権
夫婦間で行われた契約は、婚姻中いつでも夫婦の一方から取り消せる権利です。
(民法754条)
婚姻で発生する義務
同居、扶助義務
夫婦は、同居して、お互いに協力し合わなければなりません。
(民法752条)
婚姻費用分担義務
夫婦は、保有する資産や収入等に応じて、婚姻費用を分担する義務を負っています。
(民法760条)
日常家事債務の連帯責任
夫婦の一方が日常の家事に関して夫婦以外の第三者と法律行為をしたことによって負担した債務については、夫婦の他方が連帯して支払う義務を負うことになります。
(民法761条)
貞操義務
浮気を禁止する法律はありませんが、民法770条1項が不貞行為を離婚事由としていることから、夫婦間においては貞操義務(浮気をしない)があると言えます。
(民法770条1項)
未成年の子の監護義務
夫婦間に未成年の子どもがいる場合、親権者である両親は、子どもを監護する義務を負います。
(民法820条)
夫婦同氏の原則
夫婦は婚姻の際、夫または妻の氏のどちらかの同じ氏を名乗らなければなりません。
氏を変更しなかったほうが「戸籍筆頭者」となります。
夫の氏を名乗る習慣が女性の自立を妨げているとして夫婦別姓を選択できるようにという民法改正を提唱する人もいます。
(民法750条)
事実婚とは?
婚姻届を出していないが自他共に夫婦としての認めており、事実上の夫婦関係が成立している状態を「事実婚」と言います。
近年は一定の法的身分を認める傾向にあります。
たとえば世帯が1つの場合、戸籍上に他に配偶者がいないことが確認できれば、「夫」「妻」といった記載が可能です。
保険や年金制度の扶養認定、家族間割引なども受けられます。
ただし、事実婚の不利益は下記のようにまだまだあります。
- 子どもは摘出子として認められない
- 夫婦間の相続権がない
- 税制度上の扶養は認められない
フランスの「パックス」

フランスでは「PACS(パックス)」という「民事連帯契約」の形態が流行しています。
婚姻よりは規制が緩く、事実婚よりは法的権利があるというもの。フランスでは多くの労力が必要な婚姻や離婚よりも、楽に契約も解消もでき、かつ税制上は婚姻夫婦とほぼ同様の権利を得られるパックスが広まっています。
日本の「事実婚」をもっと法的契約で確かなものにしたカタチで、日本でもこのパックス的な傾向が強まっていくかもしれません。
我が国における結婚のカタチ

我が国における結婚のカタチには、大きく分けて別居か同居かの2種類があります。
1つは普段は住まいを分け、会いたいときだけ会う「通い婚」「週末婚」「別居婚」などです。
もう1つは住まいを共にするものの、夫婦と言うよりもルームシェアの感覚に近い「共生婚」です。
通い婚
夫婦が同居せず、夫または妻が時々相手の住まいを訪ねて何日か暮らす別居婚の1形式。週末に会う場合は「週末婚」。安時代には男が女のもとに通うのが普通であった。
週末婚
通い婚の一つで別居夫婦が、週末だけ一緒に過ごす結婚のカタチ。
別居婚
入籍して正式な夫婦にもかかわらず普段は同居せず、別々に暮らす結婚生活のカタチです。
別居と言っても遠くに住むのではなく、同じマンションに2つの部屋を借りて行き来したり、近所に住んで週末だけ一緒に過ごすカタチ(週末婚)です。
共生婚
互いを束縛せず、自身の居心地の良さを優先させる結婚のカタチが「共生婚」。
同居はするが、部屋や食事は別々で、財産も各々が別に管理します。 性生活もほぼなく、シェアハウスの住人のような関係。
「共生婚」という言葉は、ノンフィクション作家・亀山早苗さん が2015年ごろに名付けたものです。
性的指向による結婚

友情婚
「友情結婚」は、結婚相談所の「カラーズ」が提唱している結婚のカタチで、セックスや恋愛感情はないけど、「友情」によって婚姻を結ぶものです。

同性婚
男性と男性、女性と女性が結婚することを「同性間結婚」もしくは「同性婚」といいます。
この結婚のカタチは、我が国において法的には認められていません。
戸籍にも住民票にも記載されず、法的権利や義務も生じません。
ただ最近では、「パートナーシップ制度」を設ける自治体が増えています。
我が国では2015年、東京の渋谷区と世田谷区で、同性カップルを自治体が証明したり、宣誓を受け付けたりなどできるようになり、その後その流れは全国に広がりました。
とは言え、「パートナーシップ制度」のある自治体は、全1755のうちまだ208に過ぎません。
また、パートナーシップ制度では、パートナーに相続権がありません。
ただ、パートナーシップ制度によって現在、次のようなサービスが受けられるようになっています。
- パートナーシップ証明書
- 個人情報開示請求
- 罹災証明書
- 所得課税証明書・納税証明書
- 営業許可
- 公営住宅
- 家賃補助制度
- 住居確保補助
- 空き家活用補助
- リフォーム支援
- 医療機関
- 母子健康手帳
- 不妊治療支援
- 福祉相談
- 保育所等の利用・保育所入所申請
- 教育・保育給付認定申請及び保育所等入所申込
- 要介護認定
- 家族介護者交流会
- 老人ホーム

趣味を同じくする者同士の結婚
婚活のカタチと言って良いかもしれませんが、趣味を同じくする者同士の婚姻は、結婚生活を豊かに、しかも持続させる力になるかもしれません。
ヲタ婚
結婚相談所を運営するシュタインズ株式会社が提唱する婚活サービス。
アニメやゲームという共通の趣味を持った人をマッチングさせます。
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ペット婚
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まとめ
現代の我が国において、結婚のカタチは多様化し、さまざまな結婚があります。
この記事では、通常の結婚から、事実婚、別居婚、共生婚、友情婚、同性婚、友情婚など、さまざまな「結婚のカタチ」を解説しました。
あなたに適した「結婚のカタチ」とは何か、判りましたか。